繁盛している飲食店にあって、営業不振店にないもの。それはシナリオです。 私は職業柄「365日ほぼ外食」生活を7年繰り返し、延べ2500店舗以上を視察しました。 その結果導き出された答えが、シナリオです。繁盛店はたまたま繁盛しているわけではありません。きちんとした理由が存在しているのです。 繁盛店に行くと、経営者の店についての思いや情熱が、料理や接客はもちろん、外装や内装、インテリアの一つひとつまで、店のあらゆる部分に宿っていると感じます。ここで言う経営者の思いや情熱とは「自分がほれ込んだ食材や料理を提供してお客様を喜ばせたい」や「お客様の食事の時間を最高のおもてなしで充実したものにしたい」といったものです。 お客様は、その店を利用することで、こうした経営者の思いを感じ取るのです。 そのお客様は、店の心のこもったおもてなしを受けて、心から感動したり、深い満足感を得たりします。そして、その店での体験を誰かに話さずにはいられなくなるのです。このお客様は、自分で知人や家族を連れて再来店するのはもちろん、その店を知らない人がいたら、店の魅力を伝えたくなります。こうしてクチコミが広がり、リピーターが増えて、繁盛店になることができます。 お客様は、飲食店で記憶に残るような体験をしたいと考えています。メニューや接客、内装などが作り出す店の雰囲気を通して、お客様の記憶に刻まれる体験を与えることができているから繁盛店になっているのです。